青い青いキャンパスに一本の白いラインが描かれた






ひこうきぐも






良く晴れた日
空は澄んでいて太陽がキラキラ輝いている


そんな日、私は決まってここに来る
昼休みの屋上に


今日もそんな日。
私はいつものように此処へ来て、
そしていつものように壁に体を預けて座り、空を見上げた。


白い雲がふわふわと空を散歩している



「あ、ひこうきぐも」



思わず呟いた言葉
飛行機の通る音とともにまっすぐな白いラインが描かれている。


私は昔からひこうきぐもが好き
もともと空を見るのは大好きだけど
ひこうきぐもが一番好き


どうして?と聞かれると困るけれど。


まっすぐなひこうきぐもに憧れているのかもしれない。



昔から好きなひこうきぐも
今も好きだけれど




「周助?」



今もずっと好きなのは



「もうすぐ休憩終わり?」

「ううん、が此処にいると思って。」



まっすぐに



「一緒にいたい…って思うのは僕だけなのかな?」



私を見つめてくれる



「ううん、私も…」



貴方の姿を重ねているから?



「くす、よかった」



今まで私に降り注いでいた光が少し暗くなったかと思うと
私の唇にふわ、と暖かいものが触れた。



「…そろそろ戻ろうかな。」

「僕も行くよ」












何時の間にかひこうきぐもは空へと溶けていた。