「煙草は体に毒ですよ」








煙草








「は?」

「だから煙草は体に毒なんですってば。」



は煙草を吸っているハボックに向かってそう言った。



「煙草に含まれているニコチンは血管を収縮させて血行を悪くするんですよ。それで心臓に負担をかけて…」

「ちょっと待て。何が言いたい?」

「煙草、止めた方が良いと思うんですよ。」



そう言ってハボックのくわえていた煙草をぱっと取ると灰皿で押しつぶして消した。



「良いじゃねーか。別に。」



ハボックはそう言って新しい煙草を取り出した。



「良くありません。」



はそう言ってハボックが火をつけようとした煙草を取った。



「副流煙の方が毒性強いんですからね。まわりに迷惑かけてないなんて思わないでください。」

「そんなこと思ってな―――」

「思ってるから吸っているんでしょう?」



はそう言ってハボックを見た。



「……それに心配なんですから。貴方の事が。」

「……それってどういう…―――」



はきょとんとしているハボックに失礼します、と頭を下げると仕事に戻っていった。











―――それからハボックは煙草を吸う量を減らすようにしたんだとか。