好き


好き


好き


だけど


どんなに想っても貴方には決して届かない…










胸の中にしまいこんだ気持ち









「よっ!ちゃんと仕事してっか〜?」

「ヒューズ中佐!どうなさったんですか?」



は仕事をしていた手を止め、ヒューズの方を向いた。



「いや〜聞いてくれる?今日はうちの娘のエリシアちゃんの2歳の誕生日なんだよ〜vvそれでな〜」



ヒューズはそう言って持っていた写真をに見せた。



「な〜v可愛いだろ〜vv」

「あ…あはは…」



こういう時のヒューズにはどう対応すべきなのだろうか?



「おーロイ!!うちの娘がな〜vv」



ヒューズは珍しく真面目(かどうかは定かではないが)に
仕事をしていたロイのところへと家族自慢に行った。
今日ホークアイのかわりにロイの目付け役を任されていた
ロイに幸せそうに家族の事を話しているヒューズを見て少し心を痛めていた。







はヒューズの事が好きなのだ。







しかし、ヒューズには綺麗な奥さんも居るし、今日二歳になる娘も居る。
そしてなにより本人がとてもとても幸せそうで。

はこの想いを胸の中にしまいこんでしまうしかなかったのだった。

















「…少尉、少尉!」

「あっ!はい!?」



ボーっとしていたはハボックに呼ばれていたことに気付いていなかった。



「すみません、ハボック少尉。どうなさったんですか?」

「大佐に書類を渡そうと思ったんだが…あれじゃあな。」



ハボックはそう言って苦笑しながらの机に書類を置いた。




「っつーことで大佐に渡しといてくれ。」

「わかりました。」




ヒューズはまだロイと話をしている。
は少し溜息をつくと書類を持って立ち上がった。




「大佐、早くその仕事終わらせてくださいね。次のが来ましたから。…ということなので中佐、そろそろ…」

「おー失礼!そんじゃーな!」




ヒューズが部屋を去ったあと、は小声で呟いた。




「…幸せそうで悲しくなります」

「何か言ったか?少尉。」

「いえ、何も」



はそう言って微笑んだ。









好き


好き


好き


だけどこの想いは貴方に届かない


届けてはいけない


貴方の幸せを壊してしまいたくは無いから


だからこの想いは


私の胸の中にそっと…―――