あなたの居ない部屋で
私の口からは溜息ばかり






おかえりなさい







「はぁ…」



は溜息をついた。



「遅いなぁ…形而…」



と鏡は同じ家に住んでいる。
というか、鏡がの家に住み込んでいる感じなのだが…。



「…はぁ。遅いよ…。どうしたんだろ…」



時刻は午前三時
何時もならこんなに遅くなる事は無いし、遅くなるときは電話かメールがくる。



「はぁ…」



はまた溜息をついた。











ガチャ…




「…形而!」

「あれ? まだ起きたの?」

「”まだ起きてたの?”じゃないよ!!なんで電話もメールもくれなかったの!?」

「あ…ごめん。」

「馬鹿形而…」



の目が潤んだ。
鏡はを抱きしめた。



「ごめんね、…」

「…うん…なんだかね、電話とかメールとかないと私が忘れられてるみたいで怖かったの…。形而、」

「なに?」

「ずっと私の傍にいてくれる?」



鏡はくす、と笑うと



「もちろん」



と言った。
それから、の頬を両手で包み顔を近づけキスをした。





「あ、そうだ。まだ言ってなかったね。ただいまお姫様v」
「おかえりなさい!」



はぎゅっと鏡に抱きついた。