長い長い下り坂の途中。
一面に広がる黄色い大きな花。
太陽からの贈り物。







太陽と向日葵







「あ、桃ちゃん、向日葵!」



自転車の後ろから見た景色。
その景色の一面の黄色に目を奪われてしまった。



「ね、ちょっとだけ見ていこ?」

「ったく仕方ねぇな…」



とか、文句を言いながら、あなたは自転車を止める。
私はぴょんっと自転車から飛び降りると、その黄色の方にかけていった。
一面に広がる、黄色い花。黄色い、大きな花。



「すっごいねー…こんなところあったっけ?」

「この間まで空き地だったと思ったんだけどな。」

「綺麗だね」



真夏の太陽は、頭の上できらきらと輝いていて。
向日葵もその光を浴びて、きらきらと輝いている。




















「桃ちゃんって太陽みたいだよねって前言ったの覚えてる?」

「ん?ああ…あれかー」

「うん。」

















「…向日葵ってね、花が咲くまでの間、太陽の方向を向き続けるんだって。」



突然そう口にした私を、あなたは不思議そうに見つめた。



「向日葵は太陽が大好きみたいだよね。だから、ずっと見つめ続けるのかな。」



そう言って私は微笑んだ。



「桃ちゃんが太陽なら、私は花が咲く前の向日葵だね。」



太陽みたいに輝き続けるあなたを、ずっと見ていたいから。

私がそう言った後、あなたは私に背を向けて、自転車に跨った。



、もういいだろ?乗れよ?」

「うん。」



私は後ろに乗った。
そしてきっと赤くなっているだろうあなたの背中に、ぎゅっとつかまった。



「しっかりつかまってろよ?」

「ふふ、わかってるよ」




自転車はゆっくりゆっくり、だんだんスピードをあげながら、下っていった。